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更新は気分です。

伸びない生徒の共通点

曲がりなりにも数年間それなりに塾講師という教育者の立場を続けて、伸びない生徒の共通点を1つ見つけました。

 

それは、

「暗記をしない」

です。

 

実際、英語の単語テスト1つで伸びる伸びないの予想はできます。「忙しかった」「動詞は名詞より覚えにくい」理由が何であれ単語テストに度々不合格する子で、この子は伸びたなぁ!って子は持ったこともありませんし、見たことも聞いたこともありません。おそらく存在しないと考えて差し支えないレベルです。

 

ところで、かのニュートンもこう述べています。

If I have been able to see further,  it was only because I stood on the shoulders of giants.

(私がさらに遠くをみることができるとしたら、それは単に私が巨人の肩に乗っているからです。)

ここでいう「巨人」はものの喩えでしょうね。数多くの先人たちが作り上げてきた知識体系や智慧などを指していると考えられます。たしかにその巨人は誰にでも肩を貸してくれます。教科書や参考書を開けば何だって載っているし、昨今の情報社会ではヒットしそうな検索ワードを打ち込めば、ほぼ100%お目当ての情報にたどり着けます。ただし、注意しなければいけないのは、勘違いしてはいけないのは、その巨人はその肩に登ってきた者にだけ肩を貸す、ということです。登ろうとする気のない者を手助けしてくれるほど甘くはありません。

 

話を本題に戻します。今まで1000回以上の授業を行い、さまざまな生徒と接してきましたが、定期テストで点を取れずに燻っている生徒や大学受験勉強を始めたばかりの生徒などは次のような初歩的なミスを犯しています。

  • 古文の単語や助動詞や敬語を暗記せずに古文に挑む
  • 数学の定義・定理・公式を暗記せずに数学に挑む
  • 元素記号やイオンを暗記せずに化学に挑む

これらのように、必要最低限の知識体系を暗記せずに論理的思考力を養うことは不可能です。言い切れます。つまり、いくら素晴らしい授業を受けても(当たり前だが私のことではない)、「あれもわからない。これもわからない。」という状態に陥り、苦痛や敗北感という残滓が溜まりに溜まり、最終的には勉強を放棄してしまいます。悲しいことですが、私も今まで数人そういった生徒を見てきました。 この「覚えない→わからない→おもしろくない→覚えない→・・・」という負の連鎖に陥ってしまう生徒は、私が塾講師を始める前の予想より遥かに多くいました。

 

ただし、それは逆に言えば「覚えることは覚えなければいけない」というアドバイスをするだけで、成績を伸ばす生徒もたくさんいました。

ただし、さらにその逆を言えば「覚えることは覚えなければいけない」というアドバイスを無視して、いつまでも芽が出ない生徒もたくさんいました。そういう生徒は

  • ひとしきり説明したあとで、「これ覚えた方がいいですか?」
  • テスト前に問題集を持ってきて、「出そうなやつ選んでください」

などを常套句として用います。つまり、情報を少しでも減らそうとします。挙句の果てには、暗記量を減らして自分だけ得した気分になったりする子もいます。そういう生徒の場合は、具体的な数学や英語の指導ではなく、学習方法であったり意識改革を優先して行うべきだと気づきました。「そもそも学問をする上での最低限の知識やルールを覚えなければ絶対に頭を使う楽しさを感じることはできない。順番を間違えてはいけない。」ということを必死に伝えます。「自分勝手に情報を削減するんじゃない。まず最初は先輩である講師を信じろ。ゴールまでたどり着いて逆算のできる講師がこれは覚えた方がいいと言っているものは覚えろ。そしていろんなこと経験・体験して試行錯誤して自分なりにカスタマイズして、講師よりいいもん作って更なる高みに行っちゃえばいい。」またその際、私がよく紹介する言葉に、

オリオン座を知らない人にオリオン座は見えない。

というものがあります。ほんとその通りです。まずは知ることが大事。なにも始まらない。

 

どんな科目もどんな単元も、まずはじめは知識を得ること。いくらキレー事いってもまずは暗記です。そこを誤認してたり実行しなかったりしてたら勉強の本当の楽しさにはなかなか辿りつけないし、たぶん点数とか偏差値とかの数字も伸びないよ。ただ誤解してほしくないのは、「勉強=知識集め(暗記)」って言いたいんじゃないです。知識がないと考えるってこと自体できないから、順番間違えずにまずは知識を得ようね、ってことが伝えたいことです。ちゃんとした知識を得ずに勉強しても、その場で足踏みしてるのと変わらないよ。まあ足踏みしてても靴底はすり減るけど。